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【紹介】がんの病院ランキング!医療従事者の病院の選び方【癌】

がんの病院ランキング!医療従事者の病院の選び方

がんになった可能性がある近くにいい病院はないか?でも素人の口コミってどこまであてになるの?医療従事者ならどうやって病院を選んでいるの

こんな疑問に答えます。

自己紹介健診→治験→病院勤務を経て一転してフリーランスに。医療の現場で15年以上臨床検査技師として働いていました。もちろん検査キットも、大量に使いました。エビデンスをもとに検査技師として検査や病気について、専門用語は使わずにわかりやすい記事を書いています。

この記事でわかること

  • 疾患別患者数のランキングがわかるサイトがある
  • 判断基準は患者数だけじゃない
  • いい病院は医療費も実は安い!

医療従事者の病院選び

これは個人的な意見です、医療従事者がすべてこの選び方をしているわけではありません。でも医療従事者は、口コミで病院選びはしないと思います。

専門ではない人の口コミで病院を選んでも、意味がないと思っているからです。少なくとも私はそう思っています。

口コミは、看護師が優しかった。病院の雰囲気が良かった。新しい。

こんな観点で話されています。病院に求めるのはそこではありません。治療できる能力です。重い病ならなおさらそうだと思います。

でも病院の評価なんてわからない、というのが現実だと思います。私もそうでした。おすすめ映画のようなランキングがあればいいのにと思いますよね。

実はランキングがあります。

病院患者数ランキング

ランキングシステム

ではどうやってランキングされているのかですが、素晴らしいサイトがあります。

hospia.jp

この病院情報局というサイトですが、凄いです。病院ランキングで調べればすぐ出てくるので、私のサイトより全然有名です。

このリンクから見れますが、「主な疾患別患者数ランキング」が出ています。トップに有明病院が出てきますね。

がんで有名な病院です。有名だけあって患者数で1位です。

病院のランキングって俗っぽい表現が、インターネット上に存在しているのが不思議ですよね。でも確かにあるんです。

病院情報局のデータの信頼性

病院情報局のデータは厚労省のDPCデータが元になっています。

DPC(包括医療費支払い制度)とは

厚労省が決めた、疾患に対する保険点数を従来の医療行為をやった分に対して支払うのではなく、予め決めた保険点数しか支払わないという制度です。

DPCがどうとかは理解しなくても問題はありません、論点はDPCデータは病院はすべて厚労省に出さなければならないということです。

なので、DPCを受けている病院のデータはすべて厚労省に集まります。

そのデータを使っているのが、病院情報局なのです。凄い。病院から直接出ているデータなので信頼できます。厚労省管理ですしね。

患者数ランキング

リンク飛ぶのが面倒な方向けにデータ張ります。

疾患名:がん合計 都道府県:全国 表示年度:平成28年
順位病院名都道府県市区町村退院患者数平均在院日数
1公益財団法人 がん研究会 有明病院東京都江東区12,85311.4
2静岡県立静岡がんセンター静岡県駿東郡長泉町11,91010.6
3国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院東京都中央区11,29112.2
4地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター大阪府大阪市中央区8,62013.3
5国立研究開発法人国立がん研究センター東病院千葉県柏市8,55412.2
6東京都立駒込病院東京都文京区7,80512.8
7名古屋大学医学部附属病院愛知県名古屋市昭和区7,77012.8
8神奈川県立がんセンター神奈川県横浜市旭区7,65310.6
9九州大学病院福岡県福岡市東区7,55415.9
10東京大学医学部附属病院東京都文京区7,38713.9

 引用:主な疾患別患者数ランキング – 病院情報局

このデータで分かるのは患者数です。患者数=実績値になりますので、信頼のバロメータになると思います。

このあと他のデータの事も触れますが、この患者数だけでの判断では少し不安が残ります。

患者数だけでも、知れることは凄いのですがこのサイトではもっと色々調べることができますので紹介します。

疾患別ランキング

順位病院名都道府県市区町村退院患者数平均在院日数
1札幌南三条病院北海道札幌市中央区2,15010.3
2静岡県立静岡がんセンター静岡県駿東郡長泉町1,9219.6
3国立研究開発法人国立がん研究センター東病院千葉県柏市1,90611.7
4東海大学医学部付属病院神奈川県伊勢原市1,8345.2
5独立行政法人国立病院機構姫路医療センター兵庫県姫路市1,80713
6国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院東京都中央区1,61311.1
7一般財団法人厚生会 仙台厚生病院宮城県仙台市青葉区1,5138.6
8愛知県がんセンター中央病院愛知県名古屋市千種区1,33211.7
9東京医科大学病院東京都新宿区1,26811.7
10独立行政法人国立病院機構 山口宇部医療センター山口県宇部市1,26616.1

 引用:主な疾患別患者数ランキング – 病院情報局

疾患名を肺がんに設定した場合の患者数です。地域でソートすることもできます、自分の住んでいる地域の病院で、どこが患者数が多いのかわかります。

何よりもいいのが、その病院が本当にどのくらいの実績があるのかわかります。その病院で肺がんに力を入れていますと言っても本当の数ってわかりませんから。

他の病院に比べてどのくらい多いのかもわかりました、そもそもの患者数が分かりますから素晴らしいです。

いい病院の判断基準

病院の判断基準の一例

これが病院の判断の正しい基準という訳ではありません、注意してください。判断する一助にして貰えるかなと思いますので紹介します。

  • 患者数
  • 手術件数
  • 平均在院日数

この3つがある種のバロメータです。

そもそも患者数というのはかんたんに総数で見れるのはいいところなのですが、人口の多いところにはかないません。

そもそも人口密集している場所に病院が一つしかないのなら、そこの患者数は増えるに決まっています。

なので、私は残りの2つを見て欲しいと思います。

そして病院の総合力としては平均在院日数に注目して欲しいです。

平均在院日数とは

その疾患で入院してから退院するまでに必要になった日数です。

病院から退院するにはある程度患者の状態が落ち着かなくては、退院させることはできません。

上の表でも平均在院日数が出ていますが、長い病院もあれば短い病院もあります。検索すれば全国の平均在院日数もわかります。

これは疾患毎に異なり、入院期間が長くなる病気もあれば日帰りでも退院できる疾患もあります。これに関してはどの位の入院期間になるのかの判断もできます。

入院期間を知れば、入院保険を適切にかけることもできます。話がそれました。

平均在院日数には総合力が出ている

平均在院日数から読み取れる情報は上だけではありません。しかしこれは個人的な意見です。注意してください。

平均在院日数は病院の総合力とも言えます。退院には複数の条件が揃わない限り、成立しません。

  • 適格な手術の選択と実施
  • 効果的なリハビリ
  • 退院調整
  • 合併症の防止
  • 適切な治療方針
  • 状態に合わせた検査

これは一部であり、もっと複数の項目があると思います。しかしこれらが等が上手く機能しない限り、退院は遅れます

定額の保険点数しか支払われないDPCにおいて、退院期間の延長は病院の経営にも悪影響を与えます。

病院も患者が早く退院すれば、多くの患者の手術をすることができ多くの患者へ治療ができます。

DPCが適切に機能すれば病院数が減る中、医療を受けられない患者を増やさないシステムとして稼働します。

つまり、平均在院日数が病院としての機能評価と捉えることができるという仮説です。個人的意見です。

クリニカルパス

病院では患者が入院から退院まで、どのようなプロセスで検査や治療を行っていくか決まっています。

これは「クリニカルパス」などと呼ばれており、患者にも配る病院もあります。そこには病院でどんな治療や検査をするのかが書いてあります。

入院何日目でこの検査をします。手術をして翌日はこんなリハビリをします。これは患者用としてあるだけでなく、職員向けのクリニカルパスもあります。

クリニカルパス運用は病院によって異なることが一般的で、力を入れている病院ではこのクリニカルパスの作り込みにより、疾患毎のスケジュール管理をします。

整備管理されたスケジュールは、退院までスムーズに進む他、無駄な検査、無駄な治療、無駄な薬を抑えることにも効果を出します。

院内ガイドライン化することにより、極端な話新人でもある一定の効果を生む事ができますし、逆に検査の忘れ等を防ぐことも可能です。

クリニカルパスなどの工夫により、効果の高い方法を確立し、退院への時間を短縮します。

実は医療費も抑えることができるランキングもある

平均在院日数が少なければ少ないほど、医療費は押さえることが出来る

保険点数は一律になるのがDPCですが、入院差額は生まれます。個室代や、食事代、その他の包括されない検査など。

ですので、入院期間が短い方が支払いは少なくて済みます。

病院機能的にも優れていて、なおかつ費用も抑える事ができるのでいいことしかありません。

なので、入院費用を少しでも抑えようと思うなら、平均在院日数が少ない病院を目安にするのと入院費用ランキングの出来上がりです。

たまに全国平均在院日数が15日くらいなのに、5日とか凄い病院もあるんですけどどんな工夫をしているのでしょうかね、、、

まとめ

このランキングに関しては、私個人の意見です。これが正しい使い方というわけではありませんので、重ね重ねよろしくお願いいたします。

考え方によっては看護師の優しさは、治療に繋がるかもしれません。でもその優しい看護師にその病院で会えるかどうかは別の話です。

病棟が違えば担当になることもないでしょう、最悪辞めていることもありますね。それは医師でも同じことが言えます。

ですので、病院の総合力を数字で捉えて選べるこのシステムが凄いです。意外と話題になっていないのが不思議です。

折角の素晴らしいシステムです、使い方として、皆様の判断の助けになれば幸いです。

最後までありがとうございました。ゆき@技師ブロガー (@NC0bK9MAWcyVeSa)

でした。